料理人を辞めた理由|好きな仕事でも続けられないことがある

厨房で働く元料理人が退職を決意した体験談イメージ

習慣を整えれば、人生が整う。

こんにちは。
元料理人、元電気工事士のシバゲンです。

料理人を辞めて数年が経ちました。

今振り返ると、
あの7年間は決して無駄ではなかったと思っています。

料理も好きでした。

仲間も好きでした。

働くお店も大好きでした。

だからこそ、辞める決断は簡単ではありませんでした。

今日は、僕が料理人を辞めた理由について書こうと思います。

料理が嫌いになったわけではありません。

むしろ、その逆です。

好きだったからこそ苦しかった。

好きな仕事でも、
続けられなくなることがある。

そんな僕の話です。


29歳で飛び込んだ料理の世界

29歳で安定を手放し、料理の世界に飛び込みました。

イタリアンの厨房で約7年間、
キッチンに立ち続けました。

最初はお味噌汁すらまともに作れなかった僕でしたが、
少しずつ経験を積み、
スーシェフ(二番手)を任せてもらえるようになりました。

料理の技術だけでなく、
スタッフとの関わり方や厨房の管理、
お店全体を見る視点も学ばせてもらいました。

お客様に「美味しかった」と言ってもらえた日。

忙しい営業を仲間と乗り越えた日。

料理人になってよかったと思える瞬間も沢山ありました。

でも、その裏では見えない苦しさも少しずつ積み重なっていました。

当時の僕は、
まだそのことに気づいていませんでした。


終わりのない毎日

電気工事士の仕事には、
「終わった」と思える瞬間がありました。

事務作業でも製造業でも、
区切りがあって、そこで一度息ができます。

でも飲食業は違いました。

毎週変わるランチメニュー。

毎週変わるデザート。

毎週考えるオリジナルメニュー。

ランチ営業が終われば仕込み。

仕込みが終われば夜の営業。

営業が終われば翌日の準備。

気づけば、また朝が来る。

そんな毎日の繰り返しでした。

1日1日に終わりがない。

当時の僕は、
それが当たり前だと思っていました。

でも今振り返ると、
少しずつ心も体も削られていたんだと思います。


人間関係という壁

コロナが落ち着いた頃、
働き始めて5年目を迎えていました。

2店舗目を出す話も進み、
順調に見えていた時期でした。

でも、そのタイミングで次の試練がやってきました。

人間関係です。

料理人同士、職人気質がぶつかると、
意見が合わないときは本当にとことんぶつかります。

自分では良かれと思ってやったことでも、
相手には違う形で伝わることがあります。

逆に、相手の言葉を素直に受け取れないこともありました。

今思えば、
お互い未熟だった部分もあったと思います。

でも当時の僕は、
目の前のことで精一杯でした。

「もうダメだ。ここではやっていけない」

本気でそう思いました。

心が折れた瞬間でした。

ただ、その経験があったからこそ、
自分自身を見直すきっかけにもなりました。

そこから、もっと学ばないといけない。

そう思い、本を読んだり、
YouTubeや音声で学んだりするようになりました。

あの出来事がなければ、
自分を見直そうとは思わなかったと思います。


手が荒れ、心も限界に近づいていた

飲食店で働き始めてから、
手荒れがどんどん悪化していきました。

最終的には、
指が全部ただれるような状態になりました。

そこまで悪化すると毎日が激痛です。

お風呂に入るのも辛い。

ご飯を食べるのも辛い。

包丁を握るのも辛い。

仕事のことを考える余裕すらなくなっていました。

当時は、
水仕事や消毒が原因だと思っていました。

でも今振り返ると、
体より先に心が悲鳴を上げていたのかもしれません。

コロナ禍。

人間関係。

出口の見えない毎日。

色んなものを抱え込みながら、
無理を続けていました。

手荒れがひどくなった頃には、
心もかなり疲れていたんだと思います。

この手荒れについては、
同じように悩んでいる方も多いと思うので、
また別の記事で詳しく書こうと思います。


出口の見えないトンネルを、毎日全力で走っていた

休日も少ない。

給料もなかなか増えない。

ふと、
時間給にしたらどうなるんだろう。

そんなことを考えてしまう瞬間が増えていきました。

そんなことを考えるたび、
色んなことがマイナスに見えてくる自分がいました。

飲食業は好きでした。

料理を作ることも好きでした。

でも、このまま続けていて本当にいいのか。

大丈夫なのか。

ずっとこのままなのか。

そんな不安が、
少しずつ大きくなっていきました。

7年間、
立ち止まることなく走り続けていました。

16時間働いて、
休憩が取れない日もありました。

毎日、毎日。

目の前の仕事をこなすことに必死でした。

そして、ある日気づきました。

気づけば、
出口が見えなくなっていたんです。

料理は好きでした。

でも、
好きという気持ちだけでは走り続けられなくなっていました。

気づいた頃には、
心も体もボロボロになっていました。

失ったものは、思っていたより大きかったです。


辞めると決めた日

コロナが落ち着いた頃、
2店舗目を閉めることになりました。

正直、
思い描いていた形にはなりませんでした。

その後、
これから1店舗目をどうしていくか話をするために、
オーナーと二人でご飯を食べに行きました。

本当はお店の未来について話すはずでした。

でもお酒が進むにつれて、
いつの間にかお互いの本音をぶつけ合う時間になっていました。

オーナーはとても優しい人でした。

社員として働き始めてから、
ずっと仲良くさせてもらっていました。

僕にとっては本当の兄貴のような存在です。

プライベートでも何度も飲みに連れて行ってもらいました。

オーナーが悪かったわけではありません。

むしろ沢山支えてもらいました。

今でも感謝しかありません。

だからこそ、
その日は今まで溜め込んでいた気持ちを全部ぶつけてしまいました。

お店への不満。

働き方への不安。

自分自身への焦り。

その日突然辞めたくなったわけではありません。

何年も積み重なっていた気持ちが、
その日あふれてしまったんだと思います。

気づけば僕は泣いていました。

自分でも驚きました。

それだけ色んなものを抱え込んでいたんだと思います。

大好きなお店。

大好きなオーナー。

大好きなスタッフ。

だからこそ苦しかった。

好きだったからこそ、
無理をしていることにも気づけなくなっていました。

色んな気持ちを話した最後に、
僕の口から出た言葉は一つでした。

「もう、辞めます」

それが、
料理人を辞めることになった始まりでした。

その日を境に、
お店を離れるための歯車が少しずつ動き始めました。

辞めることも、前に進む選択だった

料理が嫌いになったから辞めたわけではありません。

むしろ逆です。

料理は今でも大好きです。

ただ、出口の見えないトンネルを走り続けることに、
限界がきていました。

辞めるという選択は、
逃げではありませんでした。

違う景色を見るために、
自分の足で踏み出した一歩だったと思っています。

7年間で学んだことは、
今でも僕の中に残っています。

継続する力。

考える力。

臨機応変に動く力。

そして、挑戦する大切さ。

29歳で料理人を目指したことも、
36歳でそこから離れる決断をしたことも、
どちらも僕にとって必要な選択でした。

もしあの7年間がなかったら、今の僕はいなかったと思います。


料理は今でも人生の一部

料理人を辞めた今でも、
料理は僕の人生の一部です。

仕事としてではなく、
生活の中にある料理は、
以前より楽しく感じることもあります。

母にフルコースを振る舞ったり。

キャンプで友人たちに料理を振る舞ったり。

あの7年間がなければ、
今のこの楽しみ方には出会えませんでした。

当時は毎日が必死でした。

でも今振り返ると、
あの経験は無駄ではなかったと思います。

料理から離れたことで、
料理の楽しさをもう一度思い出せたのかもしれません。

だから今でも、
料理は僕の人生の一部です。


料理人を辞めた、その先の僕の話

正直、まだ書きたいエピソードがたくさんあります。

コロナ禍での3年間のこと。

人間関係で心が折れた瞬間のこと。

手荒れと向き合いながら働いた日々のこと。

これらは、また別の記事で詳しく書いていこうと思っています。

料理人を辞めたことで、
僕の人生が終わったわけではありません。

むしろ、
ここから少しずつ人生を立て直していくことになります。

29歳で料理人を目指した話。

小さな習慣から人生を整え始めた話。

お金との向き合い方を見直した話。

どれも、
出口の見えないトンネルを抜けた後の僕の話です。

よければ、こちらの記事も読んでみてください。

29歳で安定を手放して料理人になった話

筋トレも禁酒も続かなかった僕が変わった理由

原点①|三日坊主だった僕が人生を立て直し始めたきっかけ


まとめ

人生には、挑戦する時期と、
離れる時期があると思います。

どちらが正しいかではありません。

その時の自分にとって、
何が必要な選択かを見極めること。

それが一番大切なんだと、
今は思っています。

出口の見えないトンネルを、
無理に走り続けなくてもいい。

立ち止まってもいい。

違う道を選んでもいい。

それも、
前に進むための大切な一歩です。

僕にとって料理人を辞めるという選択は、
逃げではありませんでした。

人生を立て直すために必要な決断だったと思っています。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました😌

この話が、あなたの何かの気づきや
少し立ち止まるきっかけになれたら嬉しいです🍀

焦らなくて大丈夫です。
自分のペースで、少しずつ思考変換していけたら十分です。


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